これから独立をして、シェアサロンで美容師を続けていこうと考えている方の中に、このようなお悩みをお持ちの方も多いのではないでしょうか。
独立をすると、これまで会社が行っていた業務を全て自分で行う必要がありますが、毎月の保険料の支払いもその中の1つです。
ここでは、フリーランス美容師が、シェアサロンに移籍した場合の社会保険料について詳しく解説していきます。
社会保険とは、病気やケガ・失業や介護などの、万が一のリスクに備えるための公的保険制度のことを指します。原則として、全ての国民が保険に加入する必要があるのです。
社会保険には、以下の5種類の保険があります。
- 医療保険
- 介護保険
- 年金保険
- 雇用保険
- 労災保険
この中から、個人事業主として働くフリーランス美容師に関係するのは、以下の3つです。
- 医療保険
- 介護保険(40歳以上の方が対象)
- 年金保険
では、それぞれ詳しく説明していきます。
会社に雇用されて、正社員として勤務していた頃は、会社が保険料の半分を負担してくれる「健康保険」に加入していたと思います。
フリーランスに転向すると、市区町村が運営している公的な「国民健康保険」に加入する必要があります。
ケガや病気をして、医療機関で診てもらった際に、健康保険証を提示すれば全医療費の3割負担で医療サービスが受けられる仕組みです。
また、加入の届出までに医療機関にかかった場合の医療費は、全額負担となるので、早めに加入手続きを行うことをおすすめします。
介護保険は、40歳以上の国民全員に加入が義務付けられています。納められた保険料と税金で運営しており、介護を必要とする方に費用を給付して、適切なサポートが受けられる制度です。
加入に必要な手続きは無いので、40歳になると自動的に加入となり、保険料を納めます。
介護保険に加入する人のことを、「被保険者」と呼び、40歳から64歳の方(第2号保険者)と、65歳以上の方(第1号被保険者)に分類されます。
介護保険サービスを受けられるのは、基本的には第1号被保険者が対象です。
会社に雇用されていた頃は、会社が保険料の半分を負担してくれる「厚生年金」に加入していたと思います。
フリーランスに転向すると、市区町村が運営している公的な「国民年金」に加入する必要があります。
しかし、フリーランスになると、国民年金分だけの保険料納付となるので、会社員と比べて将来受け取れる年金額が大幅に減少するのです。
国民年金は、20歳以上60歳未満の全ての国民に加入が義務付けられています。原則として、10年以上保険料を納め続けた方を対象に、65歳から年金が支給されます。
20歳から60歳まで、全額の保険料を納めていれば満額の年金が支給されますが、納付できていない期間が少しでもあれば、その分減額される仕組みとなっております。
ここでは、シェアサロンに移籍した場合の、フリーランス美容師の社会保険料について詳しく解説していきます。
国民年金保険料は、年齢・収入など関係なく、全員一律で納める金額が決まっています。令和4月4日~令和5年3月分の1ヶ月当たりの保険料は、16,590円です。
国民健康保険料は、一律で決まっているのではなく、市区町村ごとに計算率が異なるので、納付金額もさまざまです。ご自身のお住まいの地域の役所やホームページなどで、確認してみてくださいね。
介護保険料は、健康保険と同様に、お住まいの市区町村ごとによって計算率が異なるので、対象の方は役所やホームページで確認しましょう。
40歳を超えると自動的に保険料が徴収されるので、ご自身で加入の手続きをする必要はありません。
ここでは、フリーランス美容師が、毎月の社会保険料をできるだけ安く抑えられる方法を解説していきます。
フリーランスに転向したばかりで、まだ収入が安定しない段階の時期は、収入が安定しているご家族の扶養に入っておくと、保険料の負担を抑えることが可能です。
社会保険の被保険者になれば、自身で保険料を納付する必要が無くなるのです。
ただ、家族の扶養に入るには、以下のいくつかの条件があるのでご自身が当てはまるのか確認しましょう。
- 年間の収入が130万円未満
- 同居の場合は、収入が扶養者の収入の半分未満である
- 別居の場合は、収入が扶養者からの仕送り額未満である
以上の条件を満たしていれば、家族の扶養に入ることが可能です。
しかし、年収限度額が決まっているので、働き方が制限されるデメリットもあります。そのため、収入が増えて安定するようになれば、社会保険料を納付する必要はありますが、扶養から外れて年収を気にせずに働くという方法もあります。
国民健康保険の保険料は自治体によって異なるため、引っ越しが可能な方は「保険料が安い地域へ引っ越す」という方法もあります。
保険料は、所得割・資産割・均等割・平等割の4つで構成されており、これらは3通りの組み合わせ方(2方式・3方式・4方式)に分けられます。それぞれの自治体がどの組み合わせ方で計算するかによって、保険料が異なってくるのです。
国民健康保険以外にも、美容業界で働いている方のみが加入できる保険組合があります。
しかし、フリーランス美容師が加入できる保険組合は限られており、以下の条件を満たしている方のみが「東京美容国民健康保険組合」に加入できます。
- 東京都内の美容室で勤務している
- 東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県・茨城県・山梨県に在住している
国民健康保険と異なり、対象のどの地域にお住まいでも保険料が一律なので、お住まいの地域によっては、保険組合に加入するほうが保険料が安くなる場合があります。
本記事では、フリーランス美容師が、シェアサロンに移籍した場合の社会保険料について解説しました。
フリーランスになると、毎月どのくらいの保険料を支払う必要があるのか把握できれば、毎月手元に残る額を計算することができますよ。
保険料を納付することは、国民の義務ではありますが、ライフスタイルに合わせて、できるだけ安く済ませられる方法を見つけてくださいね。
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