美容師として独立開業し、美容室オーナーになるまでに必要なこと、知っておきたいことをまとめたこの連載も今回で第28回です。
本連載では第26回より、「求人の方法」について解説しております。求人の仕方には主に下記のような方法がありましたね。
- 求人サイト
- 公式サイトやSNS
- その他(ハローワーク、リファラル採用など)
今回は②公式サイトやSNS、➂その他(ハローワーク、リファラル採用など)について詳しく解説します。
公式サイトやブログ、SNSを使った求人は強い!
今増えてきているのが求人サイト以外のWEBでの募集です。
基本的にはお金が掛からず採用できるのと、お店のコンセプトに賛同したスタッフが集まるので、長く働いてくれるスタッフを採用出来る可能性が高いです。
メリットだらけなのがこの採用手段です。
公式サイト・ブログ
前回の【Vol.27】で紹介した、求人サイトを使って募集する方法のほかにも、SNSで募集する方法など求人の手段はいろいろあります。
その中のどの方法でも最終的にはホームページをチェックする人がほとんどです。
そのため、ホームページのクオリティはかなり重要です。ホームページのトップページに美容師募集のバーナーを貼るなどして、美容師を募集していることが一目でわかるようにしておくと良いです。
求人サイトだけではなく公式サイトにも求人情報を掲載する理由としては、求職者にとって知らない美容室で働くことへの不安を軽減するためです。
求人サイトに書いてある「労働条件」などの情報だけでは、お店の人間関係や雰囲気がわからず、実際に自分が働くイメージがつかないので不安に感じてしまいます。
そのため、ホームページを見た際に「お店の雰囲気や人間関係」「コンセプト」を理解してもらい不安を和らげましょう。
ホームページには求人ページがあるとさらに良いです。求人ページには、教育システムや労働条件を詳しく書きます。
さらに、【Vol.03 サロンの経営理念・コンセプトを考える】でもお伝えしていますが「お店のコンセプトやミッション、考え方」をしっかり書いておくことも大事です。
その他にも、ホームページ上にスタッフブログを投稿しましょう。スタッフブログでは、お店が何に力を入れて取り組んでいるかや、どんなスタッフがいるかなどの情報が求人者に伝わりやすいです。写真を多く載せることでより店の雰囲気が分かります。
SNS
この時代、様々な種類のSNSがあります。基本的には無料で利用できるので、可能な限り運用した方が多くの方に見てもらえる可能性があります。
では、詳しく見てみましょう。
まず、特におすすめなのは【Instagram】です。いまの美容学生はInstagramで美容室を探すことが多いのでぜひInstagramで発信しましょう。そうすることで新卒の若い人材も獲得できる可能性が高まります。
Instagramを見て直接応募してくるということは少ないですが、Instagramを通して美容室を知ってもらい、そこから求人サイトやホームページを見て、実際に応募が来るという流れになります。
Instagramは文字数の上限が2200文字で、毎回の投稿に求人情報を記載することができます。「美容師募集中」「詳しくはホームページにアクセス」など求人をしていることを記載して投稿すると求職者に知ってもらえます。
他には、X(旧:Twitter)やYouTubeも良いです。X(旧:Twitter)は、Instagramと同様に人気があります。
さらに美容業界ではX(旧:Twitter)を使っている人はほかの業界よりも多いです。
スタッフブログや求人情報のURLを貼り付けて投稿すると効果的です。あとはプロフィールに「採用ページはこちら」とリンクを記載することで自然な流れで採用ページに誘導することができます。
YouTubeも理由は同じです。制作会社などに依頼し店の雰囲気が分かるおしゃれな動画を作ってもらい、YouTubeのリンクをほかのSNSに張り付けて発信しましょう。
文章では伝わりにくい情報も、YouTube(動画)だと伝わりやすいです。
無料で使えるハローワークは忘れずに登録しよう
意外と盲点ですが、ハローワークは無料なのでぜひ活用しましょう。
しかも、登録すると「ネット版ハローワーク」と「indeed」にも自動で求人が掲載されます。正社員でバリバリ働く人ではなく、アシスタントなどパートタイムの求人募集にハローワークは効果的です。
ポスターや看板はシンプルながら効果的!
多くの美容室を見るとほぼ必ず店頭にポスターがあります。
内容は求人にはじまりサービスの案内等内容は多岐に渡ると思います。その店頭ポスターも実は求人に効果的です。意外と店前を歩いている人の目にとまり、応募してもらえます。
あとは、実際にお店を利用しているお客様にも求人していることを知ってもらい、本人が就職してくれたり、紹介で人を集める事も出来ます。
グラフィックのデザインツールといえば、PhotoshopやIllustratorなどが有名ですが、それらは値段も高いですし、習得に時間がかかります。そこでおすすめなのが「Canva」です。
こちらのサービスは、基本的にはドラッグ&ドロップで作業を行う事が出来て、デザインに詳しくない人でも簡単に操作ができます。なので初心者でも簡単に出来て、定期的に書き換えるのにも便利です。
その他の求人方法
その他にも、次のような求人方法があります。
- 美容学生向けの求人イベント、求人フォーラム
- 求人誌、求人パンフレット
- 学校訪問
- リファラル採用
美容学生向けの求人イベント、求人フォーラム
美容学生が集まる就活イベントや美容学校内で開催している就職ガイダンスです。就活イベントは、美容学校が主催しているものや、求人広告会社が主催しているもの等があります。
学内で開催されている就職ガイダンスは定期的に開催されており、どこの学校も2月~6月にかけて行っていることが多いです。1月頃までに専門学校に連絡しておくと参加しやすいです。
求人誌、求人パンフレット
求人パンフレットは駅などに置いてある、無料で配布されているパンフレットです。
webで求人を出すメリットもたくさんありますが、パンフレットのように物理的な紙で見てもらうことで、印象は大きく変わります。
学校訪問
美容学校の先生と関係を構築し、学生に就職先として提案してもらう方法です。先生と良い関係が築けるようになるにはある程度時間はかかりますが、うまくいけば新卒の若いスタッフを毎年安定的に採用できるようになります。
リファラル採用
リファラル採用とはスタッフからの紹介の事です。日本ではまだ浸透していませんが、海外では一般的な人材確保の手段として定着しています。
働いているスタッフに求める人材の条件を伝え、友人や元同僚などを紹介・勧誘してもらう事で多くのメリットが期待できます。
またこの採用方法では、求職活動をしていない人材を獲得できる可能性があります。「今の職場に満足してるけど環境を変えたい」と思っているけど転職活動はしていないような人もこの採用方法の対象になります。求人サイトなどでは巡り合えない良い人材と接点が持てることもメリットの一つです。
リファラル採用を行う際は、紹介者と応募者にそれぞれ謝礼と祝金を払うようにすると、紹介者にとっても勧誘がしやすくなりますし、応募者も気持ちよく入社できます。
まとめ
今回は「公式サイトやSNS、ポスターや紹介などを利用して求人する」について解説いたしました。ポイントをまとめておきましょう。
- 公式サイトは求職者が情報を集めるために、最終的にたどり着くページなので、詳しい求人情報やスタッフブログなどでお店のことを分かりやすく伝えよう
- Instagramは若い美容学生などに人気のツールなので、必ず発信しましょう
- ハローワークや店舗前のポスターは無料で利用できるので忘れずに掲載しよう
次回からは「価格とメニュー」について解説していきます。
この連載があなたの美容室開業の助けになれば嬉しく思います。