Vol.30では、宣伝・広告の種類について、そしてVol.31では、オンライン広告について詳しく解説しました。
今回のVol.32では、オフライン広告についてお話します。
オフライン広告にはどのような種類があるのか、そしてその特徴・注意点とは何なのか知っておくことで、ご自身の美容室の認知度アップにつながり、新規顧客を取り込むことができるかも。
さっそくチェックしていきましょう。
おさらい|オンライン広告とは?ホームページ作成やネット広告
前回は、オンライン広告・宣伝における「ホームページ作成・ネット広告」について解説しました。オンラインで友好的に宣伝効果が得られるのは、ホームページの作成でしたね。
ホームページの作成にもいくつか種類があり、主な方法はこちら。
- ホームページ用の「ロゴ」だけを業者に頼む
- ホームページそのものを業者に依頼する
- 自分で全て作成する
こちらの三つを比較し、それぞれのメリットなど”より実践的な内容”を解説いたしました。
さらに、広範囲にわたり認知度や集客率を上げるオンライン広告について説明しました。
- Instagram:視覚的な良さを捉えることができる
- Googleマイビジネス:さまざまな Googleサービス上にビジネスや組織などの情報を表示、管理するための使いやすい無料ツール
これらを使ってオンライン広告に力を入れると、インターネットを使う世界中の誰もが、美容室について知ることができます。
今では、圧倒的にオンライン広告・宣伝に力を入れているヘアサロンが多いからこそ、オフラインの広告・宣伝で差別化や個性を発揮するのもいいでしょう。
なんとなくSNSやブログをやっているだけ…という美容室も少なくないはず。効果的な集客対策を行っている美容室を目指していきましょう。
オフライン広告が向いている客層や立地を解説!
宣伝というとオンラインに力を入れがちですが、オフラインでも工夫次第で多くの集客を期待できます。
まずは、オフライン広告は、オンライン広告と何が違うのかを説明します。
オフライン広告とは?
オフライン広告とは、インターネットを使用しないリアルな広告のことです。 インターネットを通じて閲覧できるオンライン広告とは異なり、オフライン広告はリアルな部分が大きく違います。
見込み顧客の自宅へポスティングをしたり、顧客自身が広告や看板を見かけるなど、意識せずとも目にしていることが多いかもしれません。
地域を限定したチラシの配布や、情報を届けたい顧客へ広告を打ち出すことができ、予算を抑えた広告宣伝がしやすいといえます。
オフライン広告が向いている客層
では、オフライン広告が向いている客層とはどのような人か、イメージできますか?
オンラインでいろいろなサービスが行われていますが、まだまだ全世代がまんべんなく使いこなしている印象は薄いですよね。
つまり、家から近くて新しい美容室を探している需要もあるということです。
美容室の客層には、技術を重視して、同じ美容師さんにカットしてほしいと思っている顧客と、「家から近い」「新規だとクーポンが使える」といった理由で美容室を決めない顧客とハッキリ分かれています。
まだ見えない顧客を近隣住民から獲得するためには、後者の客層にオフラインの宣伝や広告を使うのがとても有効的です。
オフライン広告が向いている立地
Instagramを中心とした、オンラインの広告が美容業界では目立っているかもしれません。ですが、美容業界は最終的には対面で接客する商売です。
美容室をオープンするときも、立地・地価の相場から、街の雰囲気が自分のコンセプトに近いサロンか?など検討する要素が多いですよね。
立地と客層はバランスを取りながら検討していく必要があります。
例えば、大学が近くにある各駅停車の駅前に美容室をオープンするなら、学割サービスをアピールする・ちょっぴり攻めたトレンドカラーのヘアを広告に使うなどトレンド感やプライスを重視する必要があります。
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また、徒歩圏内で生活している主婦層をターゲットにするなら、昼間の割引率を上げたり、白髪染めなどのヘアケアに関する情報がオフラインで得られるといいでしょう。
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仕事帰りに通える都心のサロンなら、営業時間をウリに宣伝してみるのもいいかもしれません。
通りすがりに看板を見たときに、ロゴやデザインはもちろん、その土地の客層にマッチした必要な情報が得やすいこともポイントとなります。
こんな風に、ターゲットとなる客層と立地を明確にすることで、おのずとアピールしたい内容が決まってきます。
オフライン広告の種類
ところで、オフラインとはどのようなモノをイメージしますか?実際にあるオフラインの広告の種類をチェックしてみましょう。
チラシ
チラシは、インターネットを使わない世代から絶大な信頼を寄せるオフラインのツールとなります。種類は様々で、オフラインの中でも幅広いのが「チラシ」です。
顧客にダイレクトに届くダイレクトメールや、店舗前に手に取りやすいサイズでプライスメニューなどが書いてあるチラシも該当します。
どの媒体にしても美容室のチラシに必ず入れるべき内容はこちらです。
- 美容室の名前
- 美容室の住所・営業時間・電話番号
- 美容室の外観がわかる写真プライス
- 最寄り駅からの地図とアクセス方法
- 公式HPやSNS
新聞・雑誌・フリーペーパーへの掲載
限られたスペースに美容室を掲載する広告・宣伝方法は、新聞・雑誌・フリーペーパーです。
掲載料金はスペースの大きさでも価格が変わりますが、だいたい10万円から50万円とされており、広告の露出が増えるほど、値段も上がるシステムです。
それぞれの広告の特徴を紹介します。
新聞広告は、年齢層高めの人に読者が多い傾向があるのでターゲットが限られます。
全国紙の新聞に掲載するよりも、折り込みチラシに入れてもらう方が地域住民にとどきやすくなるでしょう。
雑誌広告は、美容院のペルソナやカラーに合った雑誌に掲載をお願いすることで、ある程度ニーズにマッチした顧客の獲得につながります。また、顧客は雑誌を繰り返し読むことが想定されるので、新聞よりも効果を得やすいです。
フリーペーパー広告は、美容院や飲食店などを予約するときに使われるHOT PEPPERが代表例です。自分が住んでいる地域の情報が掲載されているので、目を通しやすいメリットがありますね。
競合となる美容室の情報も研究しながら差別化をはかれるとベストです。
看板・ポスター
看板やポスターは、設置さえ完了すれば、継続的に宣伝ができる優れたオフラインの集客方法です。
自宅の徒歩圏内や、駅近くに美容院があるという理由で美容室を選ぶ顧客も必ずいます。知らない美容室に入るのは勇気がいりますが、「どこかで見かけた」という理由で親近感が沸く可能性もあります。
看板やポスターは、近隣住民への親しみやすさをアピールするのに効果的な方法といえますね。
交通広告とは、駅のホームに看板を置く駅の近くにポスターを貼るなどの宣伝方法です。顧客が得られそうなカフェなどにポスターを貼ってもらうのもおすすめです。
ポイントカード
ポイントカードはリピートを促進するマーケティングとして、様々な業界で使われています。
ポイントカードをスマホで管理できるものも増えていますが、オフラインの宣伝として、ふとしたときにお財布から手に取れる可能性がある美容室のポイントカードは有効です。最初に受けたサービスがよければ、リピーターが多いのも、美容室の特徴です。
そのため、固定客の獲得につながるポイントカードは、重要なアイテムといえます。
ポイントをためて、割引の特典が受けられたり、美容室で販売しているシャンプーがプレゼントされるなど、付加価値をつけることで固定客を逃さない工夫も必要です。
紹介制度
ポイントカードと並び、美容室では良く見られる方法が「紹介制度」です。
友人や知人に美容室を宣伝してもらうために「割引チケット」をあらかじめ渡しておき、新規顧客が来店する際に割引チケットを提示してもらうことで、美容室側も反応が目でわかります。
実際の宣伝は既存の顧客がしてくれるので、美容室側はチケットを作るだけ。
簡単で、コストもさほどかからないのですぐに実施できる最も簡単な方法です。
引っ越しの多い春などは、いつも通っていた美容室に行けなくなることが予想され、新たな顧客を得やすい時期です。そういったタイミングで、紹介制度のチケットを顧客に配るなどしてアプローチするのもおすすめです。
まとめ
オフライン広告が「向いている立地や客層」、オフライン広告の「種類と特徴」について解説いたしました。
理解していただけたでしょうか?
次は続編としてさらに詳しく掘り下げ「オフライン広告の活用術」について紹介いたします。
この連載があなたの美容室開業の助けになれば嬉しく思います。