前回と今回の2部構成で解説している「オフライン広告」についてのノウハウ。
前回は【オフライン広告・宣伝を攻略①|地域密着型のリーチにつながるチラシの種類は?】 と題して、「オフライン広告の種類」に関して学びましたね。
そして、今回解説するのは「オフライン広告の活用方法」について。各ツールの活用方法から注意点、またメリット・デメリットについて解説いたします。
では早速解説していきます。
チラシのポスティング・ダイレクトメールの特徴
美容室の近隣地域にダイレクトに情報を届けたいときは、チラシを作成してポスティングするのが良いでしょう。
また、不特定多数の人が見る宣伝方法なので、クーポン券を作って持参してもらうなど、効果を実感しやすい方法を取り入れましょう。インターネットをあまり見ないという世代にも訴求することができる、昔ながらの方法といえます。
掲載してもらうチラシ広告の場合は、掲載料のほか、デザインなどを外部に依頼するときに別途費用がかかります。そのため、チラシの発行枚数やサイズなどを決め、ポスティングする手間も考えながら効率の良い方法を探してみてください。
チラシのポスティング・ダイレクトメールの活用方法
ただチラシをポスティングする、DMを送るだけでは意味がありません。
何も知らない人の目に留まるように、また興味を引くようにするにはどうしたらいのか、こちらで解説いたします。
どのタイミングで広告するかが重要
店のオープンを告知するチラシや、何周年のタイミングでサービスをする、地域のイベントとコラボした企画の紹介などいろいろなタイミングでチラシを作成してみましょう。
「近隣には美容室の存在を知らない住民がほとんど」と思っておくことで、チラシ作りで意識する点が増え、より充実した内容になるでしょう。
美容室の雰囲気がわかる写真をたくさん使うことで安心できるかもしれません。直接見たことがないからこそイメージを伝えることはとても大切です。また、営業時間や定休日などの詳細も記載するべきですね。
既存顧客には、リピーターの利用頻度によってダイレクトメールを変えるのもおすすめです。
「○○ヶ月来店のない人は特典を付けたサービスをする」「リピーターには、新商品やリラクゼーションが加わったお知らせをして、来店のきっかけをつくる」など、さまざまなチラシを作ることができます。
クーポンで特別感を演出するのがコツ
チラシのポスティングする、ダイレクトメールを送る場合は、特別感を出すのがポイントです。
「今月末まで限定クーポン!」「チラシを持参した方にだけ、サンプルをプレゼント」などの文言には有効期限を入れて、期間限定にすると集客を集めやすくなります。
ダイレクトメールを見てもらえるように、封筒の見た目やデザインを工夫してみるのもいいでしょう。
チラシは昔からある宣伝方法ですが、集客力を上げられる効果的な方法です。
看板やポスターには金額やキャンペーンを入れない
ポスターは、継続的に貼られる可能性が高いので、正しい内容を表示できるようにつとめましょう。
たくさんの情報を掲載したいところですが、見た目のバランスも大事です。通りすがりの人に覚えてもらうために「見やすさ」や「印象の良さ」を重視しましょう。
美容室は清潔感やイメージが特に大切。ターゲットとする顧客を得られるようにするために、ヘアモデルの選定や色使いなども十分な配慮をしたいですね。
掲載料のほか、制作費・設置する工事費も別途必要になります。制作会社に依頼する場合は、看板が天候で壊れたなどもありえるので、定期的なメンテナンスやアフターサービスにも注目してみてください。
オフライン広告のメリット
次に、オフライン広告におけるメリットやデメリットをさまざまな観点から話していきます。
ミドル・シニア層に効果的
オフライン広告は、インターネットをあまり使わない人にもお店を知ってもらえるというメリットがあります。特に、50代・60代以上の方をターゲットとする場合は、効果を得やすいでしょう。
オフラインにおける知人同士の口コミは、近隣住民の間で広がります。信頼ある知人からの情報は、どんな人が口コミしたのかわからないオンラインの評判よりも、心をつかみやすいといえます。
「ネイルポリッシュを塗ることができるサービスを実施している」など話題になりそうなサービスをつけるなど、ちょっと人に教えたくなるユニークなお店作りを目指してみるのもおすすめです。
ターゲット客層に合わせて集客できる
オンラインで美容室の競合は何万とありますよね。
しかし、オフラインで近隣地域にのみクロージングするのであれば、それだけで美容室の数が限られます。競合が少ない中で、独自性や差別化をしていくことができます。
ピンポイントで集客効果が得やすいのもオフライン広告の魅力。高層住宅が並ぶエリアにポスティングすれば、「質を重視した顧客がつきそう」「新築住宅が密集しているエリアは若いファミリー世帯が多そう」など予想がつきます。
地域の特性を生かしながら、無駄のないポスティングが成功のカギとなります。
- 持家か賃貸か?
家計の状況を把握するため重要 - 家賃相場は?
家賃相場からマンション住民の年収を割り出す - 家族構成は?
単身かファミリー世帯かでどんなサービスが好まれるか考える
チラシを一度作ってしまうと作り直しができないので、なおさら、下準備が必要となります。必要な情報を必要な人へ届けることを意識してチラシ作りをしましょう。
工程がシンプル
チラシ作りそのものは、工程がシンプルでイメージしやすいのが特徴。オンラインの広告が苦手な方でも宣伝しやすいメリットがあります。
自分で手書きでポスターなど作成すれば、時間や予算もかけずに簡単に出来ますね。とてもシンプルな工程なので今すぐ取り組みたい方におすすめです。
オフライン広告のデメリット
費用が高くなることもある
美容院の広告宣伝費は他の業種と比較して高い予算が必要とされています。目安は、売上に対して10〜15%、もしくは7%前後でも十分などさまざまです。
広告宣伝費を継続的に投資できる予算があれば、顧客への認知度も高まりその都度、効果を得やすいでしょう。
一度作成したら修正ができない
オフラインにおける広告は、チラシでも看板でも、修正ができないデメリットがあります。
イメージや伝えたいことを作成前に明確にしておき、長く使えるチラシ(場合によっては違うケースもありますが)や看板を作ることも大切です。
ダイレクトメールの発注数やチラシの作成枚数は、多すぎると無駄になってしまいかねません。一般的には、多く発注したほうが割引してくれる業者が多いですが、全く効果が得られないチラシを継続的に作ってもコストだけがかかっている感覚に陥ってしまいます。
ターゲットの心に響くような文章であることが何より大切ですが、初めてで多く発注するのはリスクがあります。店頭に置くチラシやポイントカードは、少ないロット(まずは100枚単位から)で様子を見るのがおすすめです。
従業員数にもよりますが、ポスティングするのを委託すると、その分コストもかかります。
価格は東京都内であれば1枚あたり5円前後が相場となっています。
たった一度の投函で効果が得られるかは疑問です。定期的に繰り返し配布することで認知度を上げ、集客していくのが狙いなので、継続的に配布できる時間や予算についても検討してみてください。
まとめ
オフラインの広告・宣伝の効果や種類などをポイントを踏まえて紹介しました。
自分のターゲット客層、美容室の立地特徴に合わせて「オンライン広告」または、「オフライン広告」を使い分けてくださいね。
時期やキャンペーン、イベントなどに合わせて広告運用することもポイントです。
この連載があなたの美容室開業の助けになれば嬉しく思います。