フリーランス美容師の方の中で、このようなお悩みをお持ちの方も多いのではないでしょうか。
経費で落とせるものと落とせないものを把握しておくと、無駄な税金を納めなくてもよくなりますよ。
本記事では、「フリーランス美容師が経費で落とせるもの」を現役美容師の筆者が解説していきます。日々の経費管理が楽に行えるツールも併せて紹介していきます。
経費とは、事業のために支出したお金のことを指します。
事業に必要な物の費用であれば経費として計上することができ、正しく計上できていれば所得税や住民税を減らすことが可能です。
個人事業主になると、帳簿作成から申請まで全て自分でしなければならないので、経費になるものとならないものはしっかりと把握しておきましょう。
フリーランス美容師が経費として計上できるものを、項目ごとに分けて詳しく解説していきます。経費で落とせるものを正確に把握しておくと、正しく経費計上ができるので節税に繋がります。
- 消耗品費
- 新聞図書費
- 接待交際費と会議費
- 広告宣伝費
- 地代家賃・水道光熱費
- 通信費
- 旅費交通費
では、それぞれ詳しく見ていきましょう。
消耗品費
- シャンプー
- トリートメント
- タオル
- 消毒液
- シザー
- シザーケース
- コーム
- ドライヤー
- コテ
- アイロン
- ブラシ
- エプロン
- 仕事用の衣装
以上のように、美容室でお客様の施術に使用する消耗品は全て経費として落とせます。
勘定科目は「消耗品費」の欄に記載しましょう。
お客様が座る施術椅子や店内の鏡やテーブルに関しては、価格が10万円未満のものであれば「消耗品費」として計上できます。10万円を超える場合は「資産」の扱いになるので「減価償却」として処理されます。
ヘアスタイルだけでなくファッションにも気を遣いながら働く美容師にとって、洋服代の全てを経費として計上したいところです。しかし、仕事着として着用する洋服のみ経費として認められます。私服と兼用にしている洋服は、経費計上してはいけないのです。
新聞図書費
- 技術向上のための参考本
- お客様用の雑誌
- 電子書籍の月額利用料
以上のように、業務に関係する書籍や雑誌を経費として扱うことが可能です。美容室では、お客様への雑誌提供も顧客サービスの1つなので経費として認められるのです。
また、自身の技術を向上させるための参考書や業界誌も、業務に関係しているので経費の対象となります。
経費勘定科目は「新聞図書費」として計上できます。
接待交際費と会議費
- 取引先やお客様との会食
- 取引先へのお中元とお歳暮
- お客様や取引先への贈答品
以上のように、”取引を円滑に行うことを目的とした”取引先やお世話になっているお客様との会食や贈答品は、「接待交際費」として計上できます。
個人事業主の「接待交際費」には、上限が無いので支出分すべて経費として認められます。
一方で、同僚やスタッフとの会議や打ち合わせを目的とした食事の場合は勘定科目が「会議費」となります。
会議費として計上する領収書には、以下の内容の記載が必要です。
- 飲食のあった年月日
- 参加者名
- 参加人数
- 飲食店名
- 飲食に要した金額
もともとレシートに記載されている内容は記載不要なので、それ以外の項目を忘れずに記載しておきましょう。
広告宣伝費
- チラシ作成費
- ホームページ開設費
- 集客媒体利用費
以上のように、集客のために必要なお金は全て経費として計上可能です。予約管理ツールの利用料やポータルサイトへの掲載費なども経費として計上できます。
勘定科目は「広告宣伝費」の欄に記入しましょう。
地代家賃・水道光熱費
- 家賃
- 水道代
- 電気代
自分のお店を持っている美容師は、家賃・水道光熱費の支払いがあります。一方でシェアサロンや業務委託として働いている場合は、お店側が負担してくれることがほとんどです。
勘定科目は「地代家賃」と「水道光熱費」の欄に記入しましょう。
通信費
- 携帯電話の通信費
- はがき代
- 切手代
- Wi-Fiの費用
携帯電話を仕事用とプライベート用で区別している場合は、仕事で使用している機種の通信費のみ経費として計上可能です。
1台の携帯電話を仕事とプライベートで兼用している場合は「家事按分」という処理で、仕事で使用している分の通信費だけを経費計上します。
旅費交通費
- 職場までの移動費
- 打ち合わせ場所までの移動費
- 駐車場代
- 高速道路通行料
- ホテル宿泊費
- レンタカー費
自宅から職場までの移動費や、ディーラーや取引先との打ち合わせ場所までの移動費などが交通費として認められます。バスや電車は領収書が貰えないので、利用日や移動目的などをメモに控えておきましょう。
勘定科目は「旅費交通費」の欄に記入しましょう。
個人事業主が経費として計上できるものは、事業に関係する費用のみです。プライベートの支出や個人の税金や保険料など、事業の売上に繋がらない支出は経費にならないので注意が必要です。
経費計上できない項目はしっかりと抑えておきましょう。
美容師はお洒落に気を遣う人が多く、洋服だけでなくネックレスやピアスのアクセサリーを身に付けることが多いです。
しかし、アクセサリー類は業務に必ずしも必要なアイテムではないので、経費として認められません。また、コスメ類も同じく経費計上は不可となります。
プライベートで使用するための日用品や趣味の道具などは、事業に関係の無い物なので経費計上できません。また、仕事関係での付き合いではない友人や家族との食事代も経費では落とせません。
個人事業主の場合は、国民健康保険や国民年金などを支払う義務があります。事業に関係のない支出なので、これらを経費として計上することはできません。
個人事業主であるフリーランス美容師ができる節税対策を紹介していきます。
確定申告には、白色申告と青色申告があります。青色申告を利用すれば、所得金額から最大65万円の控除を受けられます。
白色申告と比べて、事前申請が必要だったり作成書類が多かったりしますが、節税効果は大きいです。
個人事業主が納付する税金の所得税と住民税の額は、所得金額によって決まります。よって、無駄な税金の支払いを防ぐためにも、経費で落とせるものは漏れのないように正しく計上する必要があります。
日々の帳簿付けも経費管理ツールを利用すれば自動化できるので、領収書を溜め込むことも無く効率的に行えますよ。
フリーランス美容師が効率的に経費を管理するために、初心者でも使いやすいおすすめツールを3つ紹介していきます。
会計の知識が少ない方でも会計ソフトを導入することで作業効率が上がるので、会計に関する作業時間が短縮でき時間を有効活用できますよ。
マネーフォワードクラウド経費とは、スマホ1つで経費申請を完結できる経費精算システムです。全てクラウド上で管理できるのでペーパーレスにもなり、電子帳簿保存法にも対応しています。
また、領収書もカメラで撮影するだけで支払い先や金額を自動読み取りできます。後回しにしがちな未処理のレシート類も、溜め込むことが無くなりますよ。
1ヶ月間の無料トライアル期間があるので、さまざまな機能の使い勝手を試してみてはいかがでしょうか。
やよいの青色申告オンラインとは、簿記や確定申告の知識が少ない初心者の方でも使いやすいクラウド申告ソフトです。
銀行・クレジットカード・電子マネーと連携ができるので、自動で明細を取得してくれます。
また、紙のレシートや領収書はスマホで撮影すると自動で文字を認識して仕分けしてくれます。自動取得機能を活用すれば、作業時間を大幅にカットできますよ。
以下の3つの料金プランがあります。
- セルフプラン(1年間の無料期間)
- ベーシックプラン(1年間半額で利用可能)
- トータルプラン(1年間半額で利用可能)
それぞれ利用できる機能やサポート体制が異なるので、自分に合ったプランを選びましょう。
freee会計とは、業界トップのクラウド会計ソフトです。電子マネーやクレジットカードと連携ができ、自動で明細を取得してくれるので1つ1つ入力する手間が省けます。
また、レシートを撮影するだけで金額と日付を自動で読み込んでくれます。スマホアプリで操作ができるので、外出時の隙間時間に作業ができますよ。
使用できる機能は制限されますが、1ヶ月間の無料トライアル期間が設けられてます。
お試し期間が終わると自動的に無料プランへ切り替わり、一部の機能のみ利用できます。有料プランに加入すると、利用できる機能数も増える仕組みです。
本記事では、フリーランス美容師が経費で落とせるものについて解説しました。経費で落とせるものは確実に計上して節税対策を心掛けましょう。
経費管理ツールを上手く使いこなせると自身の負担が減るので、ぜひ利用を検討してみてくださいね。