現在美容師として働いている方の中で、このようなお悩みをお持ちの方も多いのではないでしょうか。
近年さまざまな職種が多様な働き方に対応しており、フリーランスのような自由な働き方も世の中に浸透してきていますよね。
本記事では、「フリーランス美容師になるための手続き」や「準備」などを現役美容師の筆者が解説していきます。フリーランス美容師として働くメリットとデメリットについても併せて解説いたします。
フリーランス美容師とは、会社に雇われて正社員として働くのではなく、個人事業主として活動する美容師のことを指します。
毎月の給与も固定給ではなく、完全歩合制なので自分が働いた分だけ報酬として貰えるのです。そのため、自分の頑張り次第で高収入も期待できます。
また、フリーランス美容師の働き方はいくつかあります。主に業務委託・シェアサロン・面貸しの3つの働き方の中から選択します。
働き方によって内容は異なりますが、正社員のように朝から晩まで拘束されることはなく、自分で出勤日数や勤務時間を決めることができます。
フリーランス美容師を目指す方は、メリットとデメリットの双方をしっかりと理解しておくことが大切です。ここでは、フリーランス美容師として働くメリットを解説していきます。
出勤する時間や日数を自由に選択できるので、自分の生活ペースに合わせた働き方で美容師を続けていくことが可能です。
プライベートの時間を多く確保したり、お子さんの行事に合わせて休みを調整したり自由自在にシフトを決めることができます。
柔軟に自由な働き方ができることは、フリーランスとして働く最大のメリットです。体力面や精神面の負担も軽減されるので、正社員として拘束されながら働くことが辛い方に向いています。
サロンで働いていると、売上を上げるためにアシスタントの協力のもと同じ時間帯に複数人の顧客の施術に入ることがあります。
1人1人にゆっくりと向き合う余裕が無くなってしまうので、焦ってミスをしてしまったりお客様のご要望に添えなかったりして、顧客満足度に繋がる可能性があります。
一方でフリーランス美容師の場合は、カウンセリングから仕上げまで全て1人でこなします。同じ時間帯にお客様を掛け持ちすることがないため、落ち着いた気持ちで常にベストな接客と技術を提供することができます。
その結果、顧客と信頼関係を築くことができ、仕事に対するやりがいやモチベーションも保つことができますよ。
お店によって仕組みは異なりますが、スタイリストとしてサロンに属して働く場合、固定給と歩合を足した金額が毎月の給料となります。
そのため、多くのお客様を担当してもなかなか給料が上がらないケースがよくあります。
フリーランス美容師の場合は、売上から経費と税金を差し引いた金額が手取り額となります。たくさんのお客様に入客すれば売上は上がるので、自分の頑張り次第で収入アップが期待できます。
ここでは、フリーランス美容師として働くデメリットを解説します。
フリーランス美容師は、集客が上手くいかなければ自身の収入に直結します。リピーターを増やして顧客を増やすことができなければ、収入が不安定になる可能性が高まります。
安定した収入を継続して得るためには、セルフブランディングを行い多くの人に自分を認知してもらうことが大切です。集客活動が上手くできていれば、顧客が増え自然と収入の安定に繋がります。
フリーランス美容師になるには、カウンセリングから仕上げまでを全て1人でこなせるようになる必要があります。
しかし、自分の力でスタイリストまでキャリアアップしていきたい方や集客能力がある方は、アシスタントの期間でもフリーランスとして独立することは可能です。
今後は、スタイリストにはならずにアシスタント業務を仕事とするフリーランス美容師の需要も増えてくるかもしれません。
ただ、美容室でスタイリストとして数年勤務し、お客様からのあらゆる要望に応えられるように、自身の接客と技術のレベルを上げてから独立することをおすすめします。
そうすることで、フリーランスになってからさまざまなことに対して失敗するリスクや不安が減りますよ。
独立してフリーランスに転向するタイミングは人それぞれです。しかし、プロの美容師としてお客様に満足して頂けるレベルのサービスが提供でき、集客方法などの知識も身に着けておく必要があります。
フリーランス美容師にもいくつかの働き方がありますが、働き方によって集客方法が異なります。
自分で集客をするのか勤務先のサロン側が集客してくれるかの2択です。自分で集客する場合、フリーランスになりたての間はなかなかお客様が来てくれない可能性もあります。
そのため、フリーランスになるまでに自分を指名してくれるお客様を増やすことが大切です。
フリーランスとして働くためには、いくつか手続きや申請を行う必要があります。
また、実際に働き始めてから焦らなくて済むように、それまでに決めておきたいことも併せて解説していきます。
開業届を提出する
フリーランス美容師は個人事業主でもあるので、個人で事業を開始することを税務署に申告するための「開業届」を提出する必要があります。開業届は、税務署で貰うか国税庁のホームページからダウンロードして入手しましょう。
- 開業届の提出期限は、事業を開始した日から一カ月間です。
提出をしなくてもペナルティはありませんが、提出することで確定申告の際に青色申告ができ、控除を受けられるという最大のメリットがあります。
集客方法を考える
フリーランス美容師として長く働いていくためには、集客がとても重要になります。集客方法はいくつかあるので、どの方法で集客を進めていくのか働き始める前に考えておきましょう。
主な集客方法は以下の6つです。
- 街でハントする
- SNSで情報発信する
- 顧客に友人や家族を紹介してもらう
- ホームページやYouTubeで活動報告する
- チラシ配布
- 予約アプリを利用
コストが多くかかるものもあるので、自身がどのくらい集客にお金を費やせられるのか、コスト面のことも考えながら決めることをおすすめします。
実際に働き始めてから集客が思うようにいかなければ、他の方法に切り替えることも可能です。
会計や予約管理アプリを決める
フリーランスに転向すると、お客様への施術以外の全ての業務を1人でこなさなければなりません。これまで会社が行ってくれていた年末調整も、毎年自分で確定申告を行い、毎月の経費や材料なども自分で管理します。
少しでも負担を少なくするために、便利アプリの導入がおすすめです。上手く活用すれば効率的に業務を進めていけますよ。
働き始める前にどのようなアプリがあるのか、事前に調べておきましょう。
保険と年金の切り替え手続き
会社員として勤めている時は、厚生年金と社会保険に加入していますよね。退職後に、国民年金と国民健康保険に切り替える必要があります。
脱退手続きは会社側が行なってくれるので、必要な準備物を用意してお住まいの市区町村の役所にて手続きを行いましょう。
- 年金と保険、どちらとも退職日から14日以内に手続きを完了させる必要があります。
貯金をする
これまで正社員として働いていた方は、お客様の来店が少ない月でも基本給は貰えていたと思います。一方で、フリーランスに転向すると完全歩合制になるので来店人数が少ない月は収入が不安定になることもあります。
そのため、集客が上手くいかずに売上が減ったりケガや病気で働けなくなったりした時のために、数ヶ月間生活できるほどのお金を貯めてからフリーランスになることをおすすめします。
本記事では、フリーランス美容師になるための手続きや準備などについて解説しました。
フリーランスに転向するまでに必要な準備物や手続き方法をよく理解して、計画的にすすめていきましょう。