【美容師向け】白髪ぼかしに使えるカラー剤を3選紹介!現役美容師が徹底解説

美容師の方の中で、このようなお悩みをお持ちの方も多いのではないでしょうか。 

これまでは、白髪は白髪染めでしっかりカバーをする染め方が主流でしたが、ブリーチを使ったりファッションカラーを使ったりして、白髪を活かしたヘアカラーの需要が高まってきています。

本記事では、白髪ぼかしに使えるカラー剤3選を、現役美容師の筆者が徹底解説していきます。白髪ぼかしのメニューを導入するメリットとデメリットも併せて解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。

この記事を読めば、白髪ぼかしについて理解を深めることができ、オシャレでデザイン性が高いヘアスタイルを求めている顧客の需要に応えられるようになりますよ。

白髪ぼかしとは?

白髪ぼかしとは、白髪を隠すように染めるのではなく活かして染めるカラーリング方法のことを指します。

白髪染めとは異なり、ブラウンベースではなくお好きな色味で染められるため、カラーバリエーションも豊富です。

白髪と黒髪の間にブリーチで中間色のハイライトを入れて、人工的に白髪を増やすことで、白髪と黒髪の境目がパキッと分かれてしまうコントラスト効果を弱めます。


白髪率がもともと多い方は、ハイライトを入れる必要がなく、ファッションカラーで全体を染めると白髪部分とそうでない部分で色の入りが異なって仕上がるので、自然に明暗のメリハリがつきます。

白髪率が少なく黒毛のほうが多い方は、ハイライトを入れることによって、白髪の存在が薄まり全体的に馴染んで綺麗に仕上がります。

白髪の割合や残留カラーの有無、施術履歴など、その人の髪の状態にあった白髪ぼかしの方法を選択して提供していきましょう。

白髪ぼかしを提供するメリットとデメリットとは?

ヘアカラー業界でも注目を集めている白髪ぼかしですが、サロンでメニュー化する場合のメリットとデメリットをしっかりと把握しておく必要があります。

白髪ぼかしの知識を増やして理解を深め、自分の顧客に需要があるのか今後強化していくべきなのかなど考えてみましょう。

ここでは、白髪ぼかしをお客様に提供する美容師側のメリットとデメリットを解説していきます。

メリット

デザイン性を求めている顧客に対応できる

白髪ぼかしの知識と技術があると、白髪があっても好きな髪色にしたい、オシャレを諦めたくない、というお客様のお悩みに対応できます。

ハイライトを部分的に入れると、暗いところと明るいところのメリハリがつき、立体感をもたらしてくれて、髪色全体を明るく見せる効果があります。

カラーの周期が短く、頭皮や髪へのダメージが気になる方や、全頭ブリーチはしたくないけど髪色を明るくしてイメージチェンジしてみたい方などに白髪ぼかしを提案していきましょう。


セルフカラーを辞めてサロンに通って頂ける

白髪ぼかしは、従来の白髪染めの仕上がりとは異なり、白髪と他の部分の色味や明るさを馴染ませるように染めるので、伸びてきた根元部分をお客様がご自宅で同じように染めるのは難しいです。

セルフカラーで染めると、どうしても薬剤を満遍なく髪全体に塗布するのは難しく、全体的に色ムラができたり、明るくなった髪が暗くなったりする可能性が高いです。また、間違った色選びをすると、元の髪色に戻すまでに時間がかかる可能性があります。

まずはセルフカラーとサロンカラーの仕上がりの違いをご説明して、せっかく綺麗に仕上がった髪色を維持するためにも、ベストな状態を保てるカラーの周期をご提案して、定期的に通って頂ける信頼関係を築いていきましょう。

デメリット

1人にかける施術時間が長くなる

白髪ぼかしの施術工程は2通りあります。明るめのファッションカラーで1プロセスで染めるやり方と、ブリーチ剤を使って2プロセスでハイライトを入れてからファッションカラーで染めるやり方があります。

2プロセスだと1人のお客様にかける施術時間が長くなるので、その後の予約枠を制限する必要があります。

しかし、白髪ぼかしのダブルカラーはブリーチ剤を使用するメニューのため、客単価が高くなるので客数をとれなくても売り上げは上がります。


ブリーチ剤を使用するため高度な技術力が必要

ハイライトを入れる場合、白髪の量や位置、仕上がりイメージにあわせて、細さや入れる位置を的確に判断して施術しなければなりません。

ブリーチ剤を使用するホイルワークは、髪へのダメージ負担も大きく、髪の状態を見てブリーチ濃度の判断や放置時間の管理など、経験力と高度な技術力が必要です。

また、グレイ世代のエイジング毛にハイライトを施す場合は、極力髪への負担を減らすために、前処理や後処理などダメージケアの知識も習得しておきましょう。


顧客のカラー周期が長くなる

ハイライトを入れて明るめの髪色にすると、新しく生えてくる白髪との境目が目立ちにくいので、マメに染める必要が無くなりカラーの頻度は減ります。

ただ、ハイライトを入れた毛先が明るく褪色してきたら、定期的に全体に色を入れてあげたほうが綺麗を保てる提案を行いましょう。

また、リタッチも期間が空きすぎると色が繋がりにくいことや、きれいな髪色をキープできない旨をご説明して1ヶ月半〜2ヶ月に1度のご来店を促しましょう。

白髪ぼかしに使えるおすすめなカラー剤3選を紹介!

白髪ぼかしは、主にブラウンが含まれていないファッションカラーを用いて施術することがほとんどです。

ここでは、白髪ぼかしに使えるおすすめなカラー剤3選を紹介していきます。

エドルn

edol LebeL(ルベル)

  • 赤みを消して透明感ある髪色へ
  • 暗い色で染めてた方におすすめ
  • 髪のダメージが気になる方におすすめ

ルベル「エドルカラー」は、毛髪内にある赤みが強いフェオメラニンに着目して、染料の色素で打ち消すのではなく、赤みそのものを消してクリアな透明感カラーが作れるカラー剤です。

シナジーオイル処方により、フェオメラニンを漂白し、染料を内部までしっかり浸透させるので発色も良く綺麗に染まります。

そのため、メラニン色素を脱色させるアルカリパワーが少なく済むので、カラーによるダメージ負担も最小限に抑えられます。

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白髪染めの暗いトーンで染めてた方は、しばらくは根元染めを繰り返しながら毛先の自然褪色を待ち、徐々に明るくしていく方法が、ダメージ少なく白髪ぼかしに移行できます。

白髪の割合が少ない方なら、低明度の薬剤だと白髪にも薄っすら色が入るので、毛先の暗い染料が抜けるまで続けてみてもいいかもしれないですね。

オルディーブ アディクシー

milbonOLDEVE(オルディーブ)

  • 高彩度の青色ベースの染料構成
  • 透明感や柔らかな質感を出したい方におすすめ
  • 白髪染めの赤みが強い残留色素を打ち消したいときにおすすめ

ミルボン「アディクシーカラー」は、赤みやブラウンを打ち消して透明感を表現することに特化しており、低明度から高明度まで一切ブラウンを配合しておらず青色ベースの染料構成です。

ベースの髪色を暗めに残して部分的にハイライトを入れて、上から色を重ねる場合、ベースの髪色にオレンジ味が残っていても打ち消す力が強いので、クリアな発色で透明感カラーを楽しめます。

また、白髪により濃く色を入れたい場合、メインの薬剤にディープラインの色味を微量混ぜると髪色に深みがでて、透明感は残しつつ白髪もほどよく染まりますよ。

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髪色が明るくて白髪率が多い方には、ハイライトを入れずにスモーキートパーズのベージュの色味で根元を染めると、淡く柔らかい印象に仕上がります。伸びてきた根元との境目が目立たないのでおすすめです。

イノア

iNOA LOREAL PROFESSIONNEL(ロレアルプロフェッショナル)

  • オイルが主成分なので髪と頭皮に優しい
  • アッシュやグレーの発色が良い
  • ツヤっぽく仕上げたい方におすすめ

ロレアル「イノアカラー」は、オイルデリバリーシステムを採用しており、毛髪表面のキューティクルを傷つけずに染料を内部に浸透させて着色する仕組みのカラー剤です。

オイルの効果でツヤっぽく仕上がるので、白髪染めを繰り返してダメージを受けているグレイ世代の、繊細なエイジング毛におすすめです。

カラー剤を毎回オイルカラーにすると、髪が綺麗になるのでこれまで従来のカラー剤で染めた部分と指通りや質感の差を実感できます。

また、イノアカラーは、グレイカラーとファッションカラーの区別がないので同じカラー剤のまま白髪ぼかしに移行できます。カラーチェンジがしやすく色味の統一感や繋がりが綺麗です。

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アッシュやグレーなどの寒色系の色味の発色が抜群に綺麗なので、もともと白髪染めをしていて毛先に赤みが残っていたり、フェオメラニンが多くて赤みが強い方にもおすすめです。

まとめ

本記事では、白髪ぼかしに使えるカラー剤3選を解説しました。

白髪ぼかしの技術や知識を習得して、グレイ世代の顧客にもデザイン性あるヘアカラーを楽しんでもらえるお手伝いをしましょう。