【美容師向け】髪や頭皮に優しい酸性カラー特集!メリットとデメリットも紹介

美容師の方の中で、このようなお悩みをお持ちの方も多いのではないでしょうか。酸性カラーは、アルカリカラーと比べてダメージが少ないので、髪や頭皮に負担なく染めたいお客様のお悩みを解決できます。

そこで今回は、髪や頭皮に優しい酸性カラー剤特集を現役美容師の筆者が紹介していきます。酸性カラーのメリットとデメリットも併せて解説しますので、双方をよく理解しましょう。

酸性カラーとは?

ヘアカラーは、大きく分けて【永久染毛剤・半永久染毛剤・脱色剤・一時染毛料】に分類されます。酸性カラーとは、この中の半永久染毛剤に分類される”ヘアマニュキア”のことを指します。

健康な髪のph(アルカリ性と酸性を示す数値)が4.5〜5.5とされており、酸性カラーは約ph3なので酸性の領域に入ります。phが酸性の値だと、キューティクルは閉じているので手触り感も良く髪の状態は良好です。


酸性カラーは、酸性色素が髪の表面にあるイオンと結合することで着色します。髪の表面を染料でコーティングして色を付けるイメージなので、キューティクルを開閉することによるダメージがぐっと抑えられます。

一方で白髪染めやファッションカラーのようなアルカリカラーは、アルカリ成分の力で髪表面のキューティクルを開き、内部まで染料を浸透させて着色する仕組みです。
 
アルカリ剤で染めると髪のphはアルカリ性に傾くので、髪へのダメージが大きく手触りも悪くなります。

酸性カラーで髪を染めるメリットとデメリットは?

ここでは、酸性カラーを使って髪を染めるメリットとデメリットを紹介していきます。

メリット

髪や頭皮へのダメージが少ない

マニュキアは、頭皮や皮膚に付着すると着色してしまうので、地肌に付かないように目が細かいコームで毛髪にだけ塗布します。そのため、頭皮に刺激が少なく低ダメージでヘアカラーができます。

また、キューティクルや内部の組織を傷ませずに髪の表面とやや内側に色を付けるので、ダメージ負担が少なく、ブリーチ毛のようなデリケートな毛髪にも使えます


お肌が敏感な方でも染められる

マニュキアには、ジアミンが配合されていないので、お肌が敏感な方にも使えます。一般的なアルカリカラーには、成分内にジアミンが含まれており、一度アレルギーを発症するとジアミン配合のカラー剤を使用することができません。

そのため、アルカリカラーで染められなくなったお客様には、酸性カラーのマニュキアを提案しましょう。

マニュキアは、皮膚アレルギー試験(パッチテスト)は不要ですが、まれに他の成分が体質にあわない方もいるので、万が一体調に異変を感じた場合はすぐに洗い流しましょう。


白髪を染められる

マニキュアは、白髪も染まります。白髪と黒髪が混じった状態にマニュキアを塗布すると、黒髪の部分は色が分かりにくくて、白髪の部分だけに色が付きます

そのため、今の髪色にあわせた色選びがとても重要です。

髪色が明るくて白髪率が全体の10%ある方が、暗いブラウンのマニュキアを選んでしまうと、白髪には見本そのままの色が入り、他の明るい茶髪の部分は暗く沈んでしまいます。

色選びに失敗しないためにも、今の髪色と白髪率を見てどの色を使えば良いのか判断しましょう。


準備の手間が少なく繰り返し使える

一般的なカラー剤は、1剤と2剤を混合して薬剤を作りますが、ヘアマニュキアは混合が不要なため準備が楽に行えます。本剤と手袋さえ準備していれば、すぐに塗布を始めることが可能です。

また、チューブタイプのものが多く、必要な分だけ手に取り、残りは次に置いておけるので、繰り返し使える点も嬉しいポイントです。

デメリット

髪を明るくできない

マニュキアには、メラニン色素を脱色する力がないので、髪の明るさを変えることができません。そのため、今よりも髪を明るくしたい方には不向きです。

また、マニュキアで染めた髪をアルカリカラーで明るくすることも難しく、毛髪をコーティングしている染料が落ちるまで待つ必要があります。

髪を明るくしたい方は、マニュキアと併用するのは控えて、初めからアルカリカラーで染めることをおすすめします。


色持ちが良くない

髪の内部に染料を浸透させて着色させるアルカリカラーとは異なり、酸性カラーは髪の表面にコーティングして着色します。

そのため、毎日のシャンプーで徐々にコーティングが剥がれて、約1週間〜2週間ほど経つと色が薄くなっていきます。色落ちするスピードが従来のアルカリカラーと比べて早いのがデメリットです。

色が落ちても元の髪色に戻ることはなく、薄っすら色が残ります

また、髪が濡れてる状態のときに色が落ちるので、汗や雨にも弱く出先で洋服に染料が付いてしまうリスクもあります。


色のバリエーションが少ない

酸性カラーは、髪を明るくする力がないので色のバリエーションが少ないです。黒髪に使用しても、色は付きますが黒の色味が勝つので仕上がりは染める前とほぼ変わりません。

また、アルカリカラーとは異なり微妙な色の表現が難しく、自分がしたい髪色のバリエーションがないことも多々あります。

しかし、染める前がブリーチ後のような明るい髪色だと、高発色が期待できます。髪を染料でコーティングするので、カラーで傷んだ髪にハリとコシを与えます。

髪や頭皮に優しい酸性カラー剤3選!

ここでは、髪や頭皮にダメージ負担が少ない酸性カラー3選を紹介していきます。

お客様の髪を低ダメージで染めることができて、自分が扱いやすいと思うカラー剤を見つけていきましょう。

グラマージュ ヘアマニキュア

hoyu GLAMAGE

  • パーマやカラーで傷んだ髪に施術可能
  • ブラウンラインは19色あり白髪染めの顧客が多い方におすすめ
  • グラマラスな色味と質感を表現できる

ホーユー「グラマージュ」は、マニュキアユーザーが最も求める“染まり具合”に着目して、色持ちと幅広い色の表現を可能にしたヘアマニュキアです。

ブラウンラインは、暖色系と寒色系どちらも充実した色味のラインナップで、グレイヘアのお客様に幅広いヘアカラーの提案ができます。

ビビッドで鮮やかなビビッドラインの6色は、ブリーチ後の髪に使うと綺麗な発色に仕上がります。

N.アシッドカラー

napla N.ACID COLOR

  • ダメージケアをしながら美しい髪色へ
  • オイル処方でなめらかな塗り心地で快適な操作性
  • パサつきが気になる方に使えるヘアマニュキアを探しているサロンにおすすめ

ナプラ「N.アシッドカラー」は、エイジング毛をケアする”βリペアアミノ酸”と”加水分解ウールキューティクルタンパク”配合により、グレイカラー世代のお悩みに寄り添います

βリペアアミノ酸は、ハリとコシの減少や、毛先のパサつきや乾燥などをケアし、芯のある強い髪へと導きます。加水分解ウールキューティクルタンパクは、毛髪補修効果があり、さまざまな要因で傷んだ髪を補修します。

カラーラインナップは、ビビッドライン8色・コントロールライン4色・ブラウンライン12色です。

オイル処方のクリームベースなので、根元から毛先までなめらかな塗り心地で確実に塗布できます。

オルディーブ ルドレス

milbon ORDEVE

  • 色の種類は全37色ありカラーバリエーションが豊富
  • 酸性カラーで髪色にこだわりたい方におすすめ
  • しっとりツヤのある髪になりたい方におすすめ

ミルボン「オルディーブルドレス」は、色のラインナップが豊富で全37色あります。多彩な髪色が楽しめるので、酸性カラーの顧客が多いサロンにおすすめなカラー剤です。

保湿性の高いハチミツと柔軟性に優れたボタニカルオイル配合により、しっとりとしたうるおいのある髪へ仕上がります。

また、ミルボンが独自に開発をした毛髪補修成分CMADK配合で毛髪内密度を高めて、強度のある健やかな髪へと導きます。

まとめ

本記事では、髪や頭皮に優しい酸性カラー剤3選を紹介しました。

酸性カラーはアルカリカラーと異なり、ダメージが少ないところが最大の魅力なので、グレイカラーやブリーチをしているお客様の施術に取り入れていきたいですね。